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商品価値(ある業者との懇談から)その2
2008 / 11 / 25 ( Tue )
ここで、ある事例をご紹介します。

つい最近、地元の伊東市内から、珍しく高利回りの売りアパート物件が地元の新聞の広告欄に掲載されました。

(物件概要)
・価格  2480万円
・土地  425㎡(128.56坪)
・建物  297.86㎡(90.1坪)
・構造  木造スレート葺き2階建て(2K×8世帯)
・築年月 平成4年3月(築16年)
・想定利回り 17.4%(432万円)

賃料は相場よりもやや低めで適正であり、満室も見込める地域にあり、リフォームの必要性も見当たりません。

この物件に対しては、すでに2000万円と2100万円の指値買付が入り、現在問い合わせが殺到しております。

このブログを見ている皆さんならば、どうされますか?

満額で買付を入れますか?
買付を入れるならば、いくらが適正だと思われますか?
それとも購入は検討しませんか?

まずは一番大切なキャッシュフローを検討してみます。

満室時家賃×0.6~0.7>支払いローン

これをクリアーしていればキャッシュフローはまず心配ありません。
地方物件や、競争激化地域等で空き室リスクがある地域は×0.6で、人口増加地域や立地条件等に自信がある地域は×0.7で計算します。

家賃から30~40%を減額するのは、空室率や修繕費・管理費、租税公課等の経費を引く必要があるからです。

上記の場合は地方物件なので0・6掛けしてあります。

432万円×0.6=259.2万円

築16年なので商品価値の残存14年でフルローン(年利3%)を組むと、年約175万円の支払いになり、
259.2万円>175万円

で、キャッシュフローはクリアーできます。

しかし上記の計算は、購入者の都合で算出したものであり、銀行サイドは違う算出方法になります。

それは「商品価値」ではなく、「法定耐用年数」を基準にしてのローン期間の設定です。

築16年の物件に対しては、法定耐用年数22年から経過年数を差し引いた残存耐用年数の範囲でしか融資はなされません。

つまりこの物件の場合は22年―16年=6年間です。

したがって2480万円を6年返済(年利3%)で借りた場合は、年間で約450万円の支払いになり、キャッシュフローはマイナスになります。

ですから融資自体が実行されることはないでしょう。

これが木造ではなく、重量鉄骨かRCであったならばどうなるでしょうか。

重量鉄骨の法定耐用年数は34年なので、34年-16年=18年
18年ローンの場合の年額返済額は約179万円で、キャッシュフローはクリアーします。

RCの法定耐用年数は47年なので、むろんクリアーです。

以上のことから、木造の場合は、高利回りであっても築年数が古ければ法定耐用年数の基準から融資は難しくなるので、築12年以内が一つの目安になるかと思います。
それ以上古い物件になると、重量鉄骨かRCを選択する必要が生じてきます。

「築16年の木造アパートでも利回りが17%以上もあり、しかも美築で気に入ったから、全額現金で購入するから構わない!」
という人もいらっしゃるかもしれません。

その場合は、このアパートの本当の価値を知ってから指値を入れることをお勧めします。

担保価値以下で購入しないと、かりに将来売却したいと考えても、購入者が融資を受けられない金額になってしまうか、損切りしてしまう可能性が大きくなってしまいます。

それでは以前10月21日&11月3日のブログでもご紹介した、銀行の担保評価の算出方法でみていきます。

銀行によってばらつきがあるので、これはあくまでも一例ですが、伊東のアパートの場合の担保価値は

・建物 ⇒ 再建築価格×床面積×法定耐用年数残存期間÷法定耐用年数
木造15万円×297.86㎡×(22-16)÷22≒1219万円

・土地 ⇒ 路線価(倍率地域は固定資産税評価額×倍率)
       16700円×425㎡≒710万円
・ 担保評価額 ⇒ 掛け目0.7を入れる
          (1219万円+710万円)×0.7≒1400万円)

つまり売値2480万円のこの物件は、1400万円が適正価格だということになります。
建物の担保価値は6年後には0円になり、土地値710万円の価値しか残りませんから、ほぼ妥当な金額といえます。

なお1400万円の場合の利回りは、30.8%となります。

売主がいくら強気の値段設定をしていても、現金で購入する人しか買えないことでしょう。
こうしたことを業者に知らせたうえで、

「私は銀行融資でしか購入ができないので、もしも売主が1400万円でも同意可能ならば、融資が受けられる可能性がでてきますので、購入を検討します。」
とは言っておきました。

つまりこの物件のように、木造築16年で17%台の利回りがあっても、路線価が低ければ、この程度の価値しかない物件ということになります。

また、たとえ高利回りで担保価値が高くても、融資期間が短ければキャッシュフローがマイナスになり、融資は難しくなります。

いずれにしても、この物件に対して2000万円~2100万円の指値を入れた買主も、それを安いといって拒否する売主も、双方ともに実情を知らないといわざるを得ません。

これが木造ではなく、重量鉄骨かRCであったならば担保評価額はどうなるでしょうか。

重量鉄骨の場合は、18万円×297.86㎡×(34-16)÷34≒2838万円
土地の評価額は変わらないので、(2838万円+710万円)×0.7≒2484万円

RCの場合は、20万円×297.86㎡×(47-16)÷47≒3929万円
土地の評価額は変わらないので、(3929万円+710万円)×0.7≒3247万円

したがって、重量鉄骨の場合は売値はほぼ妥当な金額となり、RCの場合は割安な金額だと判断できます。

以上見てきましたように、
「(満室時)家賃×0.6~0.7>支払いローン」
「購入価格<担保評価額」
の二つをクリアーした物件でなければ、通常の銀行の融資は実現されませんので、こうした計算は是非行っておく必要があります。

こうした条件をクリアーした物件でなければ、どこの銀行に融資をお願いしても、徒労に終わる可能性が高くなるといえます。(なお法定耐用年数にかかわりなく融資を行う銀行も一部ありますが・・・・)
(その3に続く)
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テーマ:不動産投資 - ジャンル:株式・投資・マネー

16:48:36 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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コメント
--私も--

同感です。
by: よしお * 2008/11/25 22:29 * URL [ 編集] | page top↑
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いちいち勉強になります。

RIG参加できず、お会いできませんでしたが、機会があればよろしくお願いします。
by: ケン吉 * 2008/11/30 21:22 * URL [ 編集] | page top↑
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山田さん
こんにちは。
先日は,RIGへの参加,大変ありがとうございました。当日は,山田さんの不動産の考えについて,ご教授していただき,大変貴重なひとときを過ごすことができました。また,山田さんの著書にサインをしていただいたり,記念撮影までご了解いただきまして,大変感激しております。次の日は,前回以上に気持ちが高ぶり,寝不足気味でした(笑)。次回も機会がありましたら,不動産の活動中のものも含めお話しをお伺いさせてください。今後ともよろしくお願い致します。
てらちゃんより。
by: てらちゃん * 2008/11/30 23:15 * URL [ 編集] | page top↑
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>よしお様へ
コメントありがとうございました。
共感していただけてとても嬉しく思います。
またよろしくお願いいたします。

>ケン吉様へ
ケン吉様の投資スタイルもものすごく勉強になります。
また、いろいろと実戦経験等を教えてください。

>てらちゃん様へ
私のほうこそ貴重な体験談、ありがとうございました。
てらちゃんの不動産にかける情熱は、お話をお伺いして、すばらしいものがありました。
また購入の成否は別として、その過程の体験談は、非常にモチベーションが上がりました。
寝不足等で体調を崩さないようにお気をつけてください!





by: 山田里志 * 2008/12/02 11:17 * URL [ 編集] | page top↑
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